【11月2日 Relaxnews】カナダで増加するアジア系人口により、カナダの食生活や食の好みに大きな変化が生じていることが、米調査会社大手のNPDグループ(NPD Group)の調査で分かった。実際、カナダのトロント(Toronto)やバンクーバー(Vancouver)、モントリオール(Montreal)などの都市を訪れてみれば、この変化は容易に確認できるだろう。

 報告書「カナダの食事パターン(Eating Patterns in CanadaEPIC)」によると、カナダの食生活は、旧来の肉とジャガイモの料理から幅を広げ、シーフードや豚肉、コメなどのアジア料理に置き換わってきている。この原因は、330万人いるアジア系の住民だ。

 2001年と比較すると、ジャガイモが入った料理の消費量は年7億300万食ほど減少した一方、コメを含む料理は年2億9700万食増加した。

 牛肉の人気も下がった。牛肉を含む料理は2001年と比べて年3億8400万食減少した一方、シーフードと豚肉の料理は安定して増え続け、それぞれ年2億4800万食、3億7200万食増えた。

 カナダの大都市では中心部でも郊外でも、すし店や焼き肉店、タイやベトナムのめん料理の店、それに中華料理の点心などの店舗をあちこちで見かける。都市部ではイザカヤ(居酒屋)やキムチ、バインミー(ベトナムのサンドイッチ)などという外来の料理の単語が日常的に聞かれるようになった。

 家庭料理にもアジア料理は入り込んでおり、大手スーパーには韓国の辛口ラーメンやビーフンが並び、すしのカウンターが併設されている。人気食品ブランドもこの食生活の変化を察して、焼き肉のたれやタイカレー、それに焼き鳥の冷凍食品などを展開している。

 同様に緑茶は、カナダで主流の飲料になった。2001年には、カナダ住民が食事の際に緑茶を飲む回数は年に4回未満だったが、2011年には15回に増えた。

 カナダへの移民は今後10年で15%増加する見通しで、その大半はアジアから来ることが予想されている。カナダの食生活はもっと変わるだろうと、報告書は指摘した。(c)Relaxnews/AFPBB News