【10月27日 AFP】米国の最富裕層の収入は、1979年~2007年に最貧困層の15倍のペースで増加したとの報告を、米議会予算局(Congressional Budget OfficeCBO)が25日発表した。

 これによると、上位1%の最高所得層の所得が全国民の所得に占める割合は、8%から17%へと2倍以上になった。また、最高所得層の平均税引き後収入が275%伸びた一方、下位20%の最低所得層では18%しか伸びておらず、60%を占める中間所得層の伸びは40%弱にとどまった。

 また、国民の総所得の80%以上が所得上位20%の富裕層に集中しており、格差が拡大している事実が浮き彫りになった。この期間、政府の政策は富の再分配を抑える方向に向かい、07年の再分配効果は79年に比べて小さくなっている。

 一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)と米CBSニュースが行った最新の世論調査では、米国民の大半が景気の低迷・後退を懸念しており、3人に2人がより平等な所得再分配を求めていることが明らかになった。

 来年の大統領選挙に向けて、野党・共和党の指名候補者らは景気低迷打開策として富裕層の減税策を提唱している。(c)AFP