【10月22日 AFP】フランス領ギアナの宇宙基地で21日、欧州の衛星測位システム「ガリレオ(Galileo)」の最初の衛星2基を積んだロシアのソユーズ(Soyuz)ロケットが打ち上げられた。いずれの衛星も打ち上げから約4時間後に予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。

 今回の打ち上げは、欧州のロケット打ち上げ会社アリアンスペース(Arianespace)が、自社で持たない中型ロケットの打ち上げに参入するためロシア側と結んだ2003年の取り決めによるもの。

 仏領ギアナの宇宙基地にソユーズ専用の打ち上げ施設を建設したアリアンスペースは、ソユーズロケットを使う同基地からの衛星打ち上げを14件受注しており、今後は年2~3回のペースで打ち上げるという。

 ソユーズロケットがロシアのプレセツク(Plesetsk)宇宙基地とバイコヌール(Baikonur)宇宙基地以外から打ち上げられたのは初めて。21日の打ち上げはソユーズロケットにとって1777回目の打ち上げで、成功率は94.4%となった。

 ガリレオは、欧州連合(EU)が約54億ユーロ(約5700億円)の資金を投じて構築中の欧州独自の衛星測位システムで、2020年までに測位衛星27基と予備の衛星3基を軌道に上げ、21世紀の経済に欠かすことのできない衛星航法の分野で米国のGPSシステムへの依存からの脱却することを目指している。
 
 2012年半ばに予定されているガリレオ用の衛星の3号機と4号機も仏領ギアナの宇宙基地からソユーズで打ち上げられる予定になっている。(c)AFP/Laurent Banguet

【図解】欧州の衛星測位システム「ガリレオ」