【10月21日 AFP】スペイン北部バスク(Basque)地方の分離独立を求める非合法武装組織「バスク祖国と自由(ETA)」は20日、40年以上に及ぶ武装闘争の終結を宣言した。スペイン政府は、民主主義の歴史的な勝利だと、宣言を歓迎している。

 1959年に設立されたETAは、爆破行為や銃撃などでこれまでに829人を殺害したとされる。ETAの闘争終結宣言は、西ヨーロッパ最後の主要分離独立グループによる武装闘争が終わったことを意味する。

 20日、バスク地方の地元紙ガラ(Gara)のウェブサイトに投稿された動画で、黒服に白いマスク、ベレー帽姿のETA戦闘員3人が武装闘争の完全終結を宣言。動画とともに、数か国語で以下のように記された声明文が掲載された。

「ETAは武装闘争の完全停止を決定した。スペイン・フランス両政府に対しては、紛争が招いた結果の解決をはかり、それによって武力闘争を乗り越えるため、直接対話のプロセスを開始するよう求める。この歴史的な宣言を通して、ETAは明確かつ揺るぎない最終的な誓約を示す」

 また、スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相は、テレビで放映された演説のなかで、「今日は民主主義、司法、良識が、合法的に勝利した満足感にひたろう。この満足感は、忘れることはできない暴力がもたらした苦痛の記憶を伴う。その暴力は起きてはならなかったもので、二度と起きてはならないものだ」と述べ、ETAの宣言を歓迎した。(c)AFP/Elodie Cuzin