【10月21日 AFP】東京・江東区の日本科学未来館(National Museum of Emerging Science and Innovation)で20日、デジタル技術を集めた展示会、「デジタルコンテンツエキスポ(Digital Content Expo)2011」が始まった。

■人間そっくりのシュールな拍手

 アルミ製の骨格とウレタン製の柔らかい「手のひら」で、本物の人間の拍手のような音をたてるロボットアーム「音手(おんず、Ondz)」が来場者を迎えた。

 自分の腕を型どりしてこのロボットアームを設計したという慶應大学大学院メディアデザイン研究科の高橋征資(Masato Takahashi)さんは、来場した人たちにこの機械が出すシュールな感覚を楽しんで欲しい、と言う。

 音楽演奏の一部として、実際に手を叩く音を強調するために使ったり、オンラインで番組を見ている人たちがボタンをクリックすると、番組の会場に拍手音が起きるといった使い方もできそうだ。高橋さんはAFPの取材に、お笑い芸人を叩いてツッコミを入れる機械や、足を踏みならす機械も作ってみたいと語った。

■空に描く津波警報

「デジタルコンテンツエキスポ」には、医療分野や社会におけるもっと深刻な状況のための技術も展示されている。

 空中に浮かび上がって見える3次元(3D)画像を手掛ける株式会社バートン(Burton Inc.)は、レーザービームで作った微細な光の点で3Dイメージを空中に描く技術を出展した。

 この技術は広告への応用が考えられるが、同社の木村秀尉(Hideki Kimura)CEOは大災害時の情報提供への応用も視野に入れている。例えば消防署の最上階から空にメッセージを投影すれば、避難のために自宅を出て移動中の人にも情報を伝えられるだろうと木村氏は語る。

 現時点でこの技術は、地表から6メートル上、1辺3メートル四方の立方体の範囲内の空間に画像を描くことができる。木村氏によると、同社はもっと高く、もっと大きく描画できるように開発を進めているという。

 同エキスポは3日間の日程で22日まで開催されている。(c)AFP/Miwa Suzuki

【動画】拍手をするロボットアーム「音手」(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)