【10月17日 AFP】英ロンドン(London)、独フランクフルト(Frankfurt)、オランダのアムステルダム(Amsterdam)の3都市で16日、「強欲企業」や歳出削減に抗議する座り込み集会があった。  いずれも主要都市の金融中心地で行われ、なかにはキャンプを張って長期間の座り込みを決め込んだグループも出ている。  前日には、世界80か国あまりで、米国の抗議運動「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」やスペインの「Indignants(怒り)」デモに呼応するデモや集会が行われたばかり。  ロンドンでは、反資本主義の活動家ら数百人が、セントポール大聖堂(St Paul's Cathedral)前で座り込み集会を行った。同大聖堂は、ロンドン証券取引所(London Stock Exchange)から数メートルの距離で、英国国教会の同教区を管轄するジャイルズ・フレイザー(Giles Fraser)牧師が集会の開催を容認した形だ。  抗議集会を主催したロイ・アレクサンダー(Roy Alexander)氏(39)は、座り込みは無期限で続ける計画だと話した。「ここにとどまって、抗議行動を続ければ、参加者も増えてくると思う」  16日夜までに、セントポール大聖堂前には70ほどのテントが張られ、「冷静に、そしてロンドンを占拠せよ」、「銀行ではなく、人間を救済しろ」などと書かれた横断幕が見える。簡易テーブルの上には、菓子類やペットボトルのミネラルウォーターが並び、即席のキッチンとなっている。近くには、報道陣のテントや医療センターも設置された。  一方、アムステルダムでも、証券取引所前の広場で、300人あまりがキャンプを張っている。集会の主催者によると、長期の抗議行動を望む参加者も多く、座り込みは数日から数週間におよぶ見込みだという。  フランクフルトでも、欧州中央銀行(European Central BankECB)前で200人あまりがテントを張った。欧州中央銀行は、欧州各国の財政危機によるユーロ危機問題の台風の目として注目の渦中にある。 ■国連事務総長「彼らの未来はわれわれの未来」  国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、列国議会同盟(Inter-Parliamentary UnionIPU)会議開催中のスイス・ジュネーブ(Geneva)で、「彼らの未来は、われわれの未来でもある。彼らの声に耳を傾けなければ、今後の数十年間は不安定で排他的なものとなり、われわれの平和や治安、繁栄への見通しが損なわれる」と述べ、座り込み集会の参加者らの主張を聞くよう各国指導者に呼び掛けた。(c)AFP/Marie-Pierre Ferey