【10月14日 AFP】チリ北部コピアポ(Copiapo)近郊のサンホセ(San Jose)鉱山での落盤事故で地下に閉じ込められ、69日後に救出された元作業員たちが13日、救出から1年を記念する式典に出席するため、鉱山を再訪した。

 救出された33人のうち、式典に出席したのは17人。鉱山のゲートは閉じられており、フェンスで囲まれた入り口には「危険」の標識があった。

 式典でオマル・レイガダス(Omar Reygadas)さんは、「われわれを守り、健康を保ち、無事生還させてくださった神様に感謝します。われわれのために祈り、涙を流して下さった世界中の皆様には、感謝してもしきれません」と述べた。

 式典には救助隊員や救出に携わったエンジニアも出席した。奇跡の生還を記念して鉱山の外に築かれる予定のモニュメントには「希望」という名前が付けられており、礎石を置くセレモニーも行われた。

■逮捕された作業員も

 生還後に名声をほしいままにした元作業員たちだが、7人は今も病気で働けない状態で、大半の人が定職に就いていない。鉱山に戻ったのは数人だけだ。

 市場で果物を売って生計を立てているというダリオ・セゴビア(Dario Segovia)さんは、「最初の数か月は苦しかった。だけど昔のリズムを取り戻しつつあります。ここに来るとあの頃の記憶がよみがえります。全員が出席できなかったのが悲しい」と語った。

 地元メディアによると、元作業員中唯一の外国人、ボリビア人のカルロス・ママニ(Carlos Mamani)さんが12日、コピアポ近郊で、DV(ドメスティック・バイオレンス)容疑で逮捕された。詳細は明らかにされていない。(c)AFP