【10月10日 AFP】スペインの企業が女性従業員に対し、就業時間中にトイレに行く際は「化粧室」と書かれた赤い札を首に下げるよう強制していたことが5日、労働組合の苦情申し立てで明らかになった。現在、労働局の調査対象となっているという。

 この企業はムルシア(Murcia)州の果物輸出企業「El Ciruelo de Murcia」で、女性従業員400人が働いている。

 労組によると、同社では今年5月から、トイレ休憩のため席を立つ女性従業員に「化粧室」と書かれた赤い札を「一目瞭然」な場所に着用するよう強要していた。手に持ったり、ポケットに入れるのは禁止で、札にはひもがついており必然的に首から下げるようになっていたという。規則は男性には適用されていなかった。

 この規則のため、多くの女性従業員が夏場の長時間労働にもかかわらず水分摂取を控えていたといい、労組には複数の従業員から苦情が寄せられていたという。労組側は「プライバシー侵害だ」と抗議している。

 同社は労働局の調査を受け、8月にこの「トイレ札」規則を撤回した。AFPの取材に対し、同社は回答を拒否した。

 労組によると同社はまた、最長15時間の労働を強いていたうえ、休憩は30分しか与えていなかったという。(c)AFP