【9月28日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するザウバー(Sauber)の日本人ドライバー小林可夢偉(Kamui Kobayashi)が、10月9日に決勝を迎える11F1第15戦日本グランプリ(Japanese Grand Prix)に、東北地方太平洋沖地震の被災者を招くことを明かした。

 第14戦までを終えて、ドライバーズポイントを27に伸ばして母国グランプリに臨む小林は、3月11日に起きた震災で被災した福島県南相馬市を中心に活動する少女合唱団「MJCアンサンブル(MJC Ensemble)」のメンバーとその家族及び関係者、約60名を日本GPが行われる鈴鹿サーキット(Suzuka Circuit)に招待する。

 今季第6戦のモナコGP(Monaco Grand Prix 2011)で5位入賞と自己最高位に入った小林は、震災の第一報を耳にし、一時は二度と日本の地を踏めなくなるのではないかと不安に感じたこともあったという。

 「朝の時点では、そんなにひどい内容ではなかった。でも、それから災害を伝えるニュースの内容が1時間毎にひどくなっていった」「耳にしていることが全部起こっているなんてとても信じられなかったし、テストとシミュレーションに集中することも本当に難しかった」「チェルノブイリ(Chernobyl)原発事故のことも頭をよぎったよ。日本という小さい国でこんな事故が起きてしまうと、もう二度と日本に帰れなくなるんじゃないかと思った」

 小林はザウバーの公式ホームページ上で、「日本が世界の国々から支援を受けてきたから、そして日本人がとても強く、お互いを思いやって助けてきたから、ここまで復興することができたのだと思う。もちろん、復興への道のりは長いけれど、ここまでの前進は素晴らしい」「日本GPは、日本にとってとてもポジティブな意味を持つとても大きなイベント。国際的な関心も高い」「F1は人を幸せな気持ちにさせるし、皆もF1を楽しんでいる。だから僕達はレースをする。悲劇が日本を襲っても、これまでと同じように」と語った。

 また続けて、「少女合唱団のMJCアンサンブルが南相馬市からやってきて、レース開始前に「君が代」を歌う予定になっている」「彼女達のためにバスでの移動、ホテルの部屋、チケットを用意した。彼女達が素敵な時間を過ごせればと思う」とコメントしている。(c)AFP