【9月27日 AFP】旧ソ連最後の指導者、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元大統領は26日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が大統領に復帰すれば、次の6年はロシアにとって「失われた6年」になるだろうと警告した。

 24日の与党・統一ロシア(United Russia)の党大会で、プーチン首相が大統領候補に立候補し、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領がプーチン政権の首相を務めるとの方針が発表された。

 ゴルバチョフ氏は、ロシアが現在「袋小路」に入っているとのリベラル派の懸念に同意し、2008年まで大統領を2期務め、現在にいたるまで権勢を振るってきたプーチン首相が改革を断行できるかどうかについて疑念を表明した。

「未来の大統領が、改革をまったくせずに、権力の座に居座ることだけを考え、ロシアの現状に責任がある古い勢力を維持しようとするとしたら、それはプーチン氏の過ちが原因だろう」と、ゴルバチョフ氏は述べる。

 ゴルバチョフ氏も一部を所有している体制批判的な独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)で、同氏は「体制全体を入れ換えるという路線に沿った真剣な変革がない限り、前進はないだろう」と述べ、「そうしなければわれわれは6年を失うかもしれない。未来の大統領はこのことを非常に真剣に考えるべきだ」と主張した。

 ロシア大統領の任期は4年から6年に延長された。プーチン氏は72歳になる2024年まで2期を務めることも可能だ。その場合、旧ソ連のヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)元書記長以来、最も長い任期を務めた指導者になる。

 大胆にもノーバヤ・ガゼータ紙は一面に、プーチン氏とメドベージェフ氏、それにエリート層のメンバーたちが2024年にどのような老人になっているかを描いた風刺画を掲載した。プーチン氏らは風刺画の中で、旧ソ連のエリート高官たちの勲章で飾られた制服に身を包んでいる。

 プーチン氏の大統領選立候補に対して、厳しく管理されたロシア社会では大規模なデモは発生しなかった。最も目立ったデモは、モスクワ(Moscow)で25日午後に野党支持者ら300人が行った抗議集会だった。

 またロシアの株式市場も、プーチン氏による強権統治がもう1期続く可能性にパニックが起こることもなく、通常通りだった。(c)AFP/Stuart Williams