【9月24日 AFP】(一部更新)重量6トンの使用済み人工衛星UARSUpper Atmosphere Research Satellite)が地球に落下すると発表していた米航空宇宙局(NASA)は24日未明(日本時間24日午後)、この衛星は地球に落下したと発表した。

 NASAはウェブサイトでこの衛星は米東部夏時間の23日午後11時23分から24日午前1時9分(日本時間24日午後0時23分~午後2時9分)の間に地球に落下したが、正確な再突入の時間と場所はまだ分からない、としている。

 NASAによるとその時間帯に衛星はカナダ、アフリカおよび広大な太平洋、大西洋、インド洋上空を通過していた。NASAはツイッター(Twitter)に、「残骸が陸地に落ちるとすれば、カナダに落ちる可能性が最も高い」と書き込んだ。

 これに先立ちNASAはウェブサイト上で、「(大気圏への)再突入は米東部夏時間の9月23日午後11時45分から24日午前0時45分(日本時間24日午後0時45分~午後1時45分)と予測される」と発表していた。

 更新前の情報では、再突入で燃え残った衛星の残骸はオーストラリアにも落下する恐れがあるとされていたが、NASAは一貫して「人々の安全が脅かされる可能性は非常に低い」と発表していた。 

■損害あれば米国が賠償

 1991年に打ち上げられたUARSの分解したパーツは、約800キロにわたって帯状に落下するとみられている。複雑な動きをするために落下地点の絞り込みは難しいが、おそらく地球表面の約7割を占める海に落下すると考えられている。

 NASAは、米国防総省と協力して衛星の残骸を追跡するとともに、関係する米連邦機関に最新情報を提供していると発表した。

 米連邦航空局(Federal Aviation AdministrationFAA)は22日、落下する衛星に注意し、目撃した場合には通報するようようパイロットらに呼びかけた。NASAは、UARSに燃料は残っていないため、落下の衝撃で爆発することはないと見ている。また撃墜は全く検討しなかったという。NASAでは残骸と思われるものを見つけた人は決して触らず、当局に通報するよう呼びかけている。

 1979年には、重量85トンのNASAの人工衛星スカイラブ(Skylab)が大気圏に再突入し、破片がオーストラリア西部に落下したことがある。ネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska-Lincoln)のフランス・フォンダーダンク(Frans von der Dunk)教授(宇宙法)は、衛星落下で損害を受ける国が出れば、米国は1972年の宇宙損害責任条約に従って基本的に無制限に賠償することになるだろうと語った。(c)AFP/Kerry Sheridan