【9月11日 AFP】東日本大震災発生から6か月になる11日、宮城県南三陸町の体育館で合同慰霊祭が行われ、参列者およそ2000人が黙とうを捧げた。

 南三陸町の佐藤仁(Hitoshi Sato)町長は、「希望を捨てず、町民一丸となって新たな街づくりを進めていくことを、皆様のみ霊の前にお誓いを申し上げます」と述べた。

 3月11日午後2時46分、宮城県沖約130キロでマグニチュード(M)9.0の地震が発生し、巨大な津波が沿岸部を襲った。震災では2万人近くが死亡または行方不明となり、また東京電力(TEPCO)福島第1原発では事故が発生した。南三陸町では町内の建物の60%が破壊され、900人近くが死亡または行方不明になっている。

 11日は南三陸町の他にも各地で追悼式典が行われる。

■終わらぬ原発危機、復興までの長い道のり

 震災によって福島第1原発はメルトダウンを起こし、1986年のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故以来最悪の原発事故となった。原発危機は現在も続いており、東京都など各地で反原発デモが行われる予定。

 震災対応で批判を受け、前月総辞職した菅直人(Naoto Kan)前首相の後任となった野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相は10日、就任後初めて宮城県と岩手県を訪問した。

 日本政府は震災対応で批判を受け、原発危機の全容を小さく見せようとしたのではないかと疑われている。さらに、政治的な内紛が復興に影を投げかけた。

 東北地方の復興には巨額の費用と10年程度の期間がかかるとされているが、福島第1原発の周辺地域については、もっと長い期間にわたって居住できない恐れもある。

 政府は「ただちに」健康への危険性はないことを強調しようと苦心してきたが、放射性物質に汚染された飲料水、牛肉、野菜、茶、海産物などについて報じられる中、放射能に対する不安は日常の一部になっている。(c)AFP

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