【9月8日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が公開した米外交公電で、好きなブランドのサンダルを受け取るために自家用ジェット機を飛ばしたなどと指摘されたインド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州の女性首相マヤワティ(Mayawati)氏(55)は6日、公電の内容を強く否定した。

 普段は記者団に語ることが少ないマヤワティ氏だが、この日は州都ラクノー(Lucknow)で異例の記者会見を開き、外交公電の内容は事実無根の中傷だと主張するとともに、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者は「狂っているか、野党勢力に利用されているかだ」と述べ、(アサンジ容疑者の出身国のオーストラリア)政府はアサンジ容疑者を「精神病院に入れるべきだ」と語った。

■自家用ジェットでサンダル受け取り、誕生日には高価プレゼント

 ウィキリークスが公表した2007~2009年の米外交公電はマヤワティ氏が「自分の好きなブランドのサンダルを受け取るためにムンバイ(Mumbai)まで自家用ジェット機を飛ばした」などとしている。公電で「毒殺を警戒して毒見役を雇っている」とされていたことにマヤワティ氏は、「そんな詳しい情報は、うちのキッチンで台所用品を洗うくらいのことをしないと分からないはずだ」と述べた。

 米外交公電によるとマヤワティ氏は毎年自分の誕生日に、「おべっかを使う党員、公務員、実業家たち」から数百万ドル(数億円)相当の贈り物をもらい、関係者はマヤワティ氏にケーキを食べさせようと競い合ったという。また、マヤワティ氏は「第1級の利己主義者」で「首相になることに執着していた」うえ、取るに足りない儀礼上の誤りを犯した閣僚に罰として腹筋運動をさせたという。

■アサンジ容疑者反論「自分に責任ない」

 マヤワティ氏の会見について、現在は英国にいるアサンジ容疑者は、公電の内容に責任があるのは自分ではなく米国の外交官だと指摘し、「公電の内容に問題があるなら、ヒラリー(クリントン米国務長官)に言ってほしい。マヤワティ氏には自身の発言の誤りを認め、私に謝罪してほしい」と述べた。

 さらにアサンジ容疑者は、マヤワティ氏が英国にプライベートジェットを差し向けて自分をインドに政治亡命させてくれたら、お礼としてマヤワティ氏に英国でも最高級の履物をたくさん持っていく、と述べた。アサンジ容疑者はスウェーデンでの婦女暴行容疑で英国で逮捕され、スウェーデンへの送還をめぐる審理が行われているが、厳しい条件のもと保釈されている。

 インドの身分制度「カースト」の最下層であるダリット(Dalit、不可触民)の出身であるマヤワティ氏は、ダリットやその他の身分が低いとされるカーストの人たちの支持を集めてきたが、公園に大きな自分の像を建てたり、集会で1000ルピー(約1700円)札で作った冠をかけてもらったりという浪費が批判されることも多い。

 マヤワティ氏の大衆社会党(Bahujan Samaj PartyBSP)は2009年の下院選挙(直接選挙の定数:543)で、予想を下回る21議席の獲得にとどまった。しかし、未婚の元学校教師で、「ダリットの女王」として知られるマヤワティ氏は、インド北部に広がる低カースト数百万人を強固な支持基盤として持っている。(c)AFP/Ben Sheppard