【9月4日 AFP】生息地の南極から3000キロ離れたニュージーランドの首都ウェリントン(Wellington)に近い浜辺で発見され、世界で最も有名なコウテイペンギンとなった「ハッピーフィート(Happy Feet)」が4日、海に戻った。これからハッピーフィートは南極に向けて自力で泳いで帰ることになる。

 ウェリントン動物園(Wellington Zoo)の獣医チーム責任者で、ハッピーフィートが6月末に衰弱死寸前になって以来治療をしてきたリサ・アルジラ(Lisa Argilla)氏は、「患者がついに放たれるのを見るのは、言葉では言い表せない感情。仕事の中で最高の瞬間であることは間違いない」と語った。

 ハッピーフィートは、ニュージーランド南島(South Island)から700キロ南のキャンベル島(Campbell Island)の沖合で、調査船タンガロア(Tangaroa)から海に帰された。

 ハッピーフィートの故郷、南極はさらに2000キロ南。ほかのコウテイペンギンたちと合流して長旅の末に南極に帰還することが期待されている。

 アルジラ氏は、タンガロアからの声明で、荒波のためにほかの方策が使えなくなり、特製の水のすべり台を使ってハッピーフィートを海に帰したと発表した。

 ハッピーフィートが、ニュージーランドを出航して以降6日間過ごした安全な特製箱を出る際には、「ちょっとした勇気づけ」を与える必要があったという。「特製のペンギンすべり台を後ろ向きに滑り落ちたけれど、海に入るやいなや、ためらいもせずボートから離れていった」と、アルジラ氏は語った。

 ハッピーフィートには衛星追跡装置とマイクロチップが取り付けられており、彼の旅を特設サイトで追跡することが可能だ。(c)AFP

【動画】海へ帰るハッピーフィート(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)
【参考】ハッピーフィートの移動追跡サイト(英語)
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