【8月31日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が最近新たに公開した米国の外交公電13万3887点に、情報提供者の氏名が記載されていると米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が報じたことを受け、米当局は30日、情報提供者に危険が及ぶ可能性があるという懸念をあらためて表明した。

 ニューヨーク・タイムズによると、これらの文書には、米国の外交官に話をしたことが公になると報復を受ける危険性があるため機密扱いとなっている情報提供者の名前が含まれているという。

 米国務省のビクトリア・ヌランド(Victoria Nuland)報道官は会見で、公開された最新の文書の真正性については言及しなかったが、「米国は機密情報を違法に公開することを強く非難する」と述べ、「わが国の外交努力を損なう上、個人の安全を危険にさらし、わが国の安全保障に脅威を与え、共有する問題の解決へ向けて他国と協力しようというわが国の努力を台無しにする」ものだと語った。

 また米機密文書の中には、イエメンのテロリズムとの関連が疑われるオーストラリア人に関する詳細情報が含まれていた。オーストラリア当局は、ウィキリークスによる公開は「恐ろしく無責任」な行為だと厳しく批判している。

 ウィキリークスは米マイクロブログ、ツイッター(Twitter)上に投稿したメッセージで「ウィキリークスの情報源がすべて公開されている、あるいはこれからすべて公開されるだろうという考えはまったく間違っている」と反論している。

 しかし、AFPが2003~2009年に書かれた外交公電を6本抽出して調べたところ、送信者が「情報源保護」と記していた情報提供者の名前が実際に削除されていたのは1人だけだった。

 一方、ウィキリークスは、30日夜にもツイッター上に「WikiLeaks.orgは、現在サイバー攻撃に遭っている」と短いメッセージを流した。ウィキリークスは機密扱いの米外交公電約25万点を入手し、2010年11月に最初の一群を公開した。(c)AFP/Lachlan Carmichael