【8月25日 AFP】ブラックホールに星が吸い込まれる瞬間が世界で初めて観測されたとの報告が、24日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 これによると、3月25日に米航空宇宙局(NASA)の観測衛星スウィフト(Swift)が、深宇宙の天体から放射された強いX線を観測した。観測データを調べたところ、放出源は太陽の100万倍もの質量をもつ「超大質量」ブラックホールだった。

 そしてX線は、星がブラックホールに吸い込まれる際、ブラックホールの重力で引き裂かれて発生した高エネルギー粒子のジェット(宇宙ジェット)だったことが分かった。このジェット「Swift J164449.3+573451」は、ほぼ光速に等しい速さで噴出されていた。

 超大質量ブラックホールは通常、銀河の中央に存在が確認される。今回発見されたブラックホールの大きさは、地球が属する天の川(Milky Way)銀河の中心にあるものとほぼ等しいという。超大質量ブラックホールの中には、太陽の10億倍を超える質量が観測されているものもある。(c)AFP