【8月24日 AFP】1960~70年代にラジオでひっきりなしに曲が流れていたR&B デュオ「アシュフォード&シンプソン(Ashford and Simpson)」のニック・アシュフォード(Nick Ashford)さんが22日、咽頭がんのため、ニューヨーク(New York)市内の病院で死去した。69歳。USAトゥデイ(USA Today)が23日、報じた。

 アシュフォードさんと、後に夫婦となるヴァレリー・シンプソン(Valerie Simpson)さんは、数多くの名曲を他の歌手に提供したことでも知られている。

 1966年にレイ・チャールズ(Ray Charles)が歌った「レッツ・ゴー・ゲット・ストーンズ(Let's Go Get Stoned)」が最初の大ヒットとなり、モータウン(Motown)と契約。「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ(Ain't No Mountain High Enough)」などの名曲を次々と生みだしたほか、シュープリームス(Supremes)を脱退したダイアナ・ロス(Diana Ross)のソロとしての出発を成功させた。

 そのほか、ベン・E・キング(Ben E. King)、グラディス・ナイト&ピップス(Gladys Knight and the Pips)、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)などに楽曲を提供。チャカ・カーン(Chaka Khan)に提供した「アイム・エヴリ・ウーマン(I'm Every Woman)」は、後にホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)もカバーしてヒットさせている。

 一方で2人は1973~81年に9枚のアルバムをリリースし、R&B デュオとして「ソリッド(Solid)」など自分たちのヒット曲も出した。

 2人は1974年に結婚。全米音楽著作権協会(American Society of Composers Authors and PublishersASCAP)から同協会最大の栄誉であるファウンダーズ・アワード(Founder's Award)を授与されたほか、1999年にはリズム&ブルース財団(Rhythm & Blues Foundation)からパイオニア・アワード(Pioneer Award)を贈られている。また、2002年に「ソングライターの殿堂(Songwriters Hall of Fame)」入りを果たしている。(c)AFP