【8月21日 AFP】オーストラリアの労使問題の裁決機関、フェア・ワーク・オーストラリア(Fair Work AustraliaFWA)は、米SNSフェイスブック(Facebook)に上司に対する暴言を書き込んだことを理由に解雇されたのは不当だとする豪男性の訴えを退け、解雇は正当との判断を下した。

 ダミアン・オキーフ(Damian O'Keefe)さん(28)は、勤務時間外に自宅からフェイスブックに書き込んだ暴言により解雇されたのは不当だと訴えていた。だがFWAは、オキーフさんの勤務していた家具店側には、オキーフさんを解雇する権利があると認定した。

 オキーフさんはフェイスブックへの投稿で、給与担当の上司の女性を「無能」と呼び、「また俺の給料を間違えた」「くたばれ」などと書き込んだ。

 18日に明らかになったFWAの裁決文によると、オキーフさんは翌日出勤した際に、会社から「君はもうここで働くことはできない。われわれに対する脅迫を行ったからだ」と、解雇を通知された。

 オキーフさんは、上司にそのコメントを見せるつもりはなかったと主張。歩合給をもらえなかったことに腹を立てたオキーフさんは、給与担当の上司をブロックしていたので、上司はそのコメントを閲覧することはできなかったと述べた。

 だがオキーフさんの閲覧設定では、同僚11人がこのコメントを読むことができた。そのため、FWAの裁決官は、オキーフさんの行動には深刻な職務規程違反があったとして、解雇不当の訴えを退けた。

 裁決官は「コメントが自宅のパソコンから、勤務時間外に書き込まれたという事実は重要ではない」と述べ、「コメントを同僚が読むことができ、コメントのことは上司の耳にすぐに届いた」と指摘。解雇は正当で、「私の見解では、自宅と職場という区分はかつてほど明白なものではなくなった」と付け加えた。(c)AFP

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