【8月19日 AFP】ロシアの国内線旅客機で5月、ミツバチの群れが飛行中の機内を飛び回り、乗客がパニックになる事件があったことが分かった。政府系のロシア新聞(Rossiiskaya Gazeta)が18日、1面で報じた。

 事件が起きたのは5月28日、極東ブラゴベシチェンスク(Blagoveshchensk)発モスクワ(Moscow)行きのヤクチア航空(Yakutia Airline)の機内。

 AFPの取材に応じた同航空広報によると、ミツバチはブラゴベシチェンスク空港の職員が違法に機内に持ち込み、ビジネスクラスのコート用クローゼットに隠していた巣箱から逃げ出したものだった。乗客らはパニックに陥ったが、客室乗務員たちが果敢に立ち向かい、クローゼットの扉をテープで止めてミツバチの封じ込めに成功したという。

 機内への昆虫の持ち込みは露航空法で禁じられているが、ロシア新聞は、巣箱を持ち込んだ職員が空港の副責任者で、手荷物検査が省略されていたと報じ、ブラゴベシチェンスク空港の組織的な欠陥を指摘している。

 同機のビジネスクラスには、この副責任者の見送りを受けて搭乗したロシア政府の要人が席を取っていたという。

 露空港の警備体制が緩い事実は2004年、モスクワ郊外のドモジェドボ国際空港(Domodedovo International Airport)で、自爆犯2人が有効な搭乗券を持っていないにもかかわらず係員に賄賂を渡して搭乗ゲートを通過していた問題で発覚した。同空港では今年6月にも、搭乗券と出入国書類、荷物も持たない手ぶらの女性が飛行機に搭乗し、その後身柄を拘束されている。(c)AFP/Richard Ingham