【8月13日 AFP】世界保健機関(WHO)は12日、国内の数か所が飢餓状態にあると国連(UN)が宣言したソマリアで、コレラが流行する恐れがあると警告した。

 ソマリアの首都モガディシオ(Mogadishu)の病院では、今年これまでに少なくとも181人がコレラで死亡している。同国南部から干ばつを逃れてきた数千人がモガディシオの避難民キャンプに入っており、コレラ感染の急速な拡大が懸念されている。

 公衆衛生に関するWHOのアドバイザー、ミシェル・ヤオ(Michel Yao)氏は報道陣に「ここでのコレラの感染源だが、水と衛生状態に問題があるということだ。避難民キャンプの人が増えていることを考えると感染が拡大する可能性があり、それを恐れている」と語った。

 タリク・ヤシャレヴィチ(Tarik Jasarevic)WHO報道官は、「コレラ感染は誰にでもリスクはあるが、特に現在のモガディシオは感染拡大の条件が揃っている」と警告している。今年に入りモガディシオにあるひとつの病院で報告された急性の水様性下痢の症例は4272件で、うち181件が患者の死亡につながった。また死者の半数は2歳未満の乳幼児だった。

■資金不足で援助の食糧を減らす

 国連はまた、資金不足によりアフリカの飢餓地帯への人道的支援に制約が出始めていることを明らかにした。国連人道問題調整事務所(UN Office for the Coordination of Humanitarian AffairsOCHA)の報道官によると、資金不足や配給の難しさから、食糧援助の対象となっているエチオピアの456万人の約半数が、本来の量より少ない食糧しか受け取っていないという。

 国連の最新の統計によると、「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸北東部で飢餓状態にある1240万人への人道的支援として24億ドル(約1840億円)が要請されているが、実際に集まった援助額は48%にすぎない。OCHA報道官は「資金が必要だ」と訴えている。(c)AFP