【8月12日 AFP】ニュージーランド北部トタラ・ノース(Totara North)の小学校に保管されていたヒトの骨格標本が、本物の人骨だったことが分かった。

 バスティエンヌ・クルーガー(Bastienne Kruger)校長は地元紙に、授業で使うため倉庫から骨格標本を持ち出してよく見たところ、プラスチック製だと思っていた標本は本物の人間の骨であることに気づいたと語った。1852年創設の同校に、いつからこの骨があったのか知る人はいなかった。

「本物の人間の骨だと気づいて、この気の毒な方のために、できる限りのことをしてあげたいと思いました。でも、どうしてよいのかわからず、とりあえず病院に電話をしたら、警察に見せたほうが良いとアドバイスされたんです」(クルーガー校長)

 クルーガー校長から連絡をうけた警察は、歴史遺産保護団体「Historic Places Trust」に助言を求めた。同団体は、人骨は頭蓋骨と体の片側の骨で、痩せ型の成人男性のものであると結論づけた。

 骨には掘り起こされた形跡はなく、表面が磨かれたようになっていることから、おそらく19世紀から20世紀初頭に、医学目的で専門家が加工したと考えられるという。また、あごの形から骨は先住民のマオリのものではなく、かつて人骨貿易が盛んだったインドか中国から持ち込まれたものとみられるとのことだった。

 今のところ人骨は地元の警察署に保管されている。クルーガー校長らは、この人骨をどうするか頭を悩ませている。(c)AFP