【8月10日 AFP】アフリカを中心に年間80万人近くが犠牲になっているマラリアは、媒介するハマダラ蚊(カ)に精子の無いオスを導入することにより、感染拡大を防げるとする研究成果が、8日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表された。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームは、ハマダラ蚊の卵に精巣の発達を妨げるたんぱく質を注入し、精子を持たないオスの蚊を100匹作製。実験室の中で交尾活動を観察した。
 
 するとオスは精液を生産し、メスもこれらのオスと交尾した。メスは通常通り、交尾のあと、生まれてくる幼虫の栄養分として血を吸い、卵を産んだ。卵は無精卵で、幼虫が生まれてこなかったにもかかわらず、メスは再び交尾しようとはしなかった。

 ハマダラ蚊のメスは生涯に1度しか交尾しないため、以上の発見はマラリアに対して大きな意味合いを持っている可能性を示唆しているという。(c)AFP