【8月2日 AFP】オーストラリアで、外科手術を受けた際に、担当医が体内に手術用のスポンジを置き忘れながら、この事実を知らずに15年間、過ごしていた女性が、この担当医を訴えた。

 1日の豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)によると、この豪女性はヘレン・オヘイガン(Helen O'Hagan)さん。

 オヘイガンさんは、1992年に、サミュエル・サッカー(Samuel Sakker)医師のもとで、結腸を切除する手術を受けた。その後、オヘイガンさんは腹痛や発熱、便通制御の喪失などの症状に苦しんだが、以前から健康に問題を抱えていたため、手術のせいとは考えることなく15年間を過ごし、2007年10月に受けたレントゲン検査で初めて、腹部内に繊維組織や液嚢に包まれたグレープフルーツ大の手術用スポンジが見つかった。

 スポンジを取り出す手術は即日、行われたが、問題を複雑にしているのは、スポンジを取り出した医師が、スポンジはサッカー医師の行った手術の際に置き忘れられた以外考えられないという事実を、すぐにはオヘイガンさんに伝えなかったことだ。この医師は手術後に異動になったため、オヘイガンさんにその内容を伝えたのは、さらに3年後の昨年5月のことだった。

 一方、現在は引退生活を送っているサッカー氏は、スポンジ置き忘れ事故から、オヘイガンさんが訴訟を起こすまで、あまりに長い時間が経っているため、オヘイガンさんの訴えは無効だと主張した。

 だが判事は、オヘイガンさんが1970年以降、23回も入院している事実から、どのような経緯でスポンジが体内に入ったのか分からなかったのも無理はなく、業務上過失か契約不履行でサッカー氏を訴えることは可能だとして、オヘイガンさんの訴えを受理した。

「スポンジ置き忘れ」をめぐる訴訟は、週内にも始まる。(c)AFP