【7月27日 AFP】アフガニスタン南部最大の都市で、旧支配勢力タリバン(Taliban)発祥の地でもあるカンダハル(Kandahar)の市役所で27日、自爆攻撃が発生し、市長が死亡した。

 警察によると、グラム・ハイダル・ハミディ(Ghulam Haidar Hameedi)市長が市役所の中庭で市民と協議していたところ、自爆犯がターバンの中に隠していた爆発物を爆発させた。参加していた人によると、話し合いは土地をめぐる争いに関するもので、この件で市長は違法に建築された住宅の撤去を命じていた。しかし、前日26日に行われたこの撤去作業で、子ども2人が死亡していた。

 タリバンのカリ・ユースフ・アフマディ(Qari Yosuf Ahmadi)報道官は27日、AFPに「カンダハル市で(志願者によって)起こされた自爆攻撃で、昨日住宅の壁を引き倒し、子ども2人と女性1人を殺したハミディ市長が殺された」とのテキストメッセージを送り、タリバンの犯行だったと主張した。

 カンダハルでは2週間前にも、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の弟で、麻薬王ともささやかれつつ「カンダハルの帝王」と呼ばれたアフガニスタン南部の有力者、アフメド・ワリ・カルザイ(Ahmed Wali Karzai)氏が襲撃され、死亡したばかり。

 カルザイ大統領の地元であるカンダハルは、タリバン政権崩壊後のこの10年間、最も戦闘の激しかった地域である上、勢力分布と金をめぐる部族間対立の温床ともなっている。(c)AFP

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