【7月26日 AFP】ファッションブランド「B'ExotiQ」を手がけるデザイナーのベアトリス・ビー・アーサー(Beatrice "Bee" Arthur、41)はロシア系ガーナ人。作品を通して、アフリカのデザインとテキスタイルが、もっと「ファンキーで楽しく」なることを証明しようと奮闘 している。

■自由にミックス

 ベアトリスは、セネガルの首都ダカール(Dakar)で7月5日から10日まで開催されたファッションの祭典「第9回ダカールファッション ウィーク(Dakar Fashion Week)」に参加した。デザインする際は、マリの泥染めとリネンを一緒にしたり、アフリカのロウケツ染めにモダンなネットやスパンコールを合わせたりと、自由なミックスを楽しむ。ガーナの街中でも、世界のファッション都市でも着られるようなデザインが魅力だ。コフィ・ アナン(Kofi Annan)前国連事務総長の妻も、彼女の作品を何点か購入している。

「あらゆるテキスタイルをミックスしました。私は、考え方が柔軟で、自由な人間です。何かに縛られるのは好きではありません。モチーフもあらゆるものから集めました」とベアトリス。

■大きなマーケット

 ベアトリスはウクライナのオデッサ(旧ソビエト連邦)で誕生した。そして、20年前に「悲劇的なファッションしか存在しない」オデッサから、ガーナに移り住んだ。

 5か国語を操り、社会学の学位を持つベアトリスは「ファンキーな装いを目指していましたが、同時に何かアフリカらしさも加えたいと思いました」と語る。

 2001年には南アフリカ・サンシティでKORAファッションアワードを獲得した。ベアトリスは、アフリカには「大きなマーケットがある」と考える。ガーナのブティックには、ヨーロッパからも客がやってくる。他のアフリカ人デザイナー同様、彼女の服は口コミで浸透してきているのだ。

■ベアトリスの挑戦

 彼女にとっての最大の挑戦は、ヨーロッパに対する“劣等感”を拭い去り、アフリカの地元民にもっとアフリカ出身デザイナー のファッショ ンを買ってもらうことだ。「アフリカ人は、ヨーロッパのロゴさえ入っていれば高額を支払って商品を購入します。たとえそれが中国製だとしても。そして地元 デザイナーによる商品にはお金をかけたくないと思っているのです」とベアトリス。

 さらに「人々が言う『アフリカ人デザイナーのバッグを買いましょう。なぜならアフリカでは飢餓のために人々が亡くなってい るからです』というような話が大嫌いです。私は『素敵で、良く出来ていて、美しいからこのバッグが欲しいわ』と言われたいのです」と語った。(c)AFP

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