インディテックス前会長、謎に包まれた人物像と輝かしい功績
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【7月21日 AFP】世界長者番付7位に輝くスペインの実業家アマンシオ・オルテガ(Amancio Ortega、75)が19日、「ザラ(ZARA)」などを展開するアパレル大手インディテックス(Inditex)の会長職を退いた。
オルテガ前会長は、スペインの長者番付1位、米経済誌「フォーブス(Forbes)」の世界長者番付7位に輝く、世界屈指の実業家だ。しかし、彼は謎に包まれた人物でもあった。
■メディアを避け続けたオルテガ
オルテガは13歳で学校を去りラ・コルーニャ(La Coruna)の生地会社で経験を積むと、わずか4年後に自分でビジネスを立ち上げた。その後1975年に「ザラ」1号店をオープンすると、1988年にポルトガル、1989年に米国、1990年にフランスと世界各地に店舗を拡大した。
しかし、地元メディアは彼の経歴や、「二度結婚し、三人の子どもがいる」といった事実以上の情報を知ることは無かった。オルテガは全くインタビューを受けつけなかったため、長年彼がどのような容姿をしているのかほとんど誰も知らなかったほどだ。一度だけオフィシャル写真の撮影に応じたのは、2001年に会社が株式市場に上場した時のことだった。
オルテガは、その理由について「街で家族や友人、同僚以外の人に気付かれたくない」と唯一交流のあるジャーナリスト、コヴァドンガ・オーシャ(Covadonga O'Shea)に語っている。また、オルテガは億万長者にもかかわらず、普段は社員食堂で食事をとっているそうだ。
■取締役会にも欠席
会長として最後の舞台となった19日の取締役会にも欠席。代わりにパブロ・イスラ(Pablo Isla)新会長がオルテガを称えるスピーチを行った。
しかしオルテガは完全に引退するわけではない。現在インディテックス株の59.3%保有しており、今後は取締役として会社を支えていく。
■画期的なビジネスモデル
インディテックスは現在、インドやオーストラリアなど78か国に5000店舗以上を展開している。その成功の秘密は、毎週入れ替わる豊富な商品にある。2010年度には3万点以上の異なるデザインを発表した。それぞれ少量ずつ製造することで、需要を喚起している。商品の半数以上を欧州や モロッコで製造することで商品の輸送コストを安価に抑えている。オーシャは「とても画期的なビジネスモデルです。インディテックスのビジネスは、ハーバードの研究対象となり、いくつかの競合会社からは真似されました」とコメント。
しかし、インディテックス自体も批判の的になることがあった。「当初は、シャネルなどの他ブランドに似せた商品もいくつかありました。しかし、 現在は600人のデザイナーがインディテックスで働いています」とオーシャは語った。(c)AFP/Katell Abiven
【関連情報】
◆インディテックスのオルテガ会長退任、後任はイスラCEO
◆フォーブス誌の長者番付、アジアが富豪数で世界2位に
オルテガ前会長は、スペインの長者番付1位、米経済誌「フォーブス(Forbes)」の世界長者番付7位に輝く、世界屈指の実業家だ。しかし、彼は謎に包まれた人物でもあった。
■メディアを避け続けたオルテガ
オルテガは13歳で学校を去りラ・コルーニャ(La Coruna)の生地会社で経験を積むと、わずか4年後に自分でビジネスを立ち上げた。その後1975年に「ザラ」1号店をオープンすると、1988年にポルトガル、1989年に米国、1990年にフランスと世界各地に店舗を拡大した。
しかし、地元メディアは彼の経歴や、「二度結婚し、三人の子どもがいる」といった事実以上の情報を知ることは無かった。オルテガは全くインタビューを受けつけなかったため、長年彼がどのような容姿をしているのかほとんど誰も知らなかったほどだ。一度だけオフィシャル写真の撮影に応じたのは、2001年に会社が株式市場に上場した時のことだった。
オルテガは、その理由について「街で家族や友人、同僚以外の人に気付かれたくない」と唯一交流のあるジャーナリスト、コヴァドンガ・オーシャ(Covadonga O'Shea)に語っている。また、オルテガは億万長者にもかかわらず、普段は社員食堂で食事をとっているそうだ。
■取締役会にも欠席
会長として最後の舞台となった19日の取締役会にも欠席。代わりにパブロ・イスラ(Pablo Isla)新会長がオルテガを称えるスピーチを行った。
しかしオルテガは完全に引退するわけではない。現在インディテックス株の59.3%保有しており、今後は取締役として会社を支えていく。
■画期的なビジネスモデル
インディテックスは現在、インドやオーストラリアなど78か国に5000店舗以上を展開している。その成功の秘密は、毎週入れ替わる豊富な商品にある。2010年度には3万点以上の異なるデザインを発表した。それぞれ少量ずつ製造することで、需要を喚起している。商品の半数以上を欧州や モロッコで製造することで商品の輸送コストを安価に抑えている。オーシャは「とても画期的なビジネスモデルです。インディテックスのビジネスは、ハーバードの研究対象となり、いくつかの競合会社からは真似されました」とコメント。
しかし、インディテックス自体も批判の的になることがあった。「当初は、シャネルなどの他ブランドに似せた商品もいくつかありました。しかし、 現在は600人のデザイナーがインディテックスで働いています」とオーシャは語った。(c)AFP/Katell Abiven
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