【7月19日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は18日、ロシアは、リビアの反体制派「国民評議会」を正統政権として承認することを拒否すると表明した。その一方で、評議会を正式な交渉相手とみなす考えを示した。

 ラブロフ外相は、欧米などが前週に開いた会合で、反体制派を正統政権と認めたことについて「われわれは単純な理由から、欧米諸国とは立場を共有しない」と明言。反体制派の承認は、内戦のさなかにある国で一つの政治権力を全面的に支持することに等しいと批判した。

 また、欧米メディアが、ロシアはリビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐と親族にロシアへの政治亡命を認める用意があるとの見方を報じたことに関し、「これまで何度も問われてきたことだが、答えはノーだ」と断言した。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は3月、カダフィ政権への攻撃を目的としたリビア空爆を容認する決議案を採択したが、ロシアは棄権。その後も、北大西洋条約機構(NATO)が主導する多国籍軍による軍事作戦の規模と、その意図を批判してきた。

 ロシアはその一方で、特命使節をリビアに派遣し、反体制派が拠点とするリビア東部のベンガジ(Benghazi)で反体制派と交渉を重ね、首都トリポリ(Tripoli)ではカダフィ大佐の政治亡命に向けた交渉を行ってきた。だが、こうした試みはこれまでのところ実を結んでいない。(c)AFP