【7月7日 AFP】訪米中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は76歳の誕生日を迎えた6日、ワシントンD.C.(Washington DC)のチャイナタウンにあるベライゾンセンター(Verizon Center)で演説し、他人への思いやりを実践するよう呼び掛けた。

 同センターは当日、リトル・チベットに様変わりした。ヒマラヤ地方の手工芸品を売る出店が並び、ファストフード店の看板からは不釣り合いなマンダラ絵が吊り下げられた。

 10日間の宗教行事「カーラチャクラ灌頂」初日の挨拶のためにダライ・ラマが舞台に上がると、誕生日を祝うために集まった市民数千人は一斉に「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」を歌った。

 ダライ・ラマは、「誕生日に何かメッセージを、と頼まれるが、わたしはいつもこう言っている。わたしへの最高の贈り物は、他人への思いやりを実践することだ。幸せとは、お金でも物質でも権力でもない。自分の自信の中に宿っているものだ」と演説した。

 カーラチャクラ灌頂とは、信徒たちが悟りを開く一環として平和を黙想するもので、人生のはかなさを象徴するためにマンダラを砂で作って壊すという儀式も含まれる。約5年ぶりに行われる今回のカーラチャクラ灌頂には1万人余りが参加するものと予想されている。(c)AFP/Shaun Tandon