【7月6日 AFP】世界貿易機関(World Trade OrganisationWTO)は5日、中国による鉱物資源の輸出規制はWTOルールに違反しているとの判断を下した。今回の判断は、中国がレアアース(希土類)に課している輸出制限にも影響を与える可能性がある。

 対象となる鉱物資源はボーキサイト、マグネシウム、マンガン、シリコン金属、亜鉛など。

 米国、欧州連合(EU)、メキシコは2009年、中国が一部の鉱物資源で輸出割当量を設定し、輸出税を課していることがWTOルールに違反しており、中国がWTO加盟時に行った誓約にも反しているとして、WTOに提訴していた。WTOの紛争処理小委員会は原告の訴えを全面的に認めた。
 
 米国とEUはWTOの判断を歓迎し、EUはレアアースの輸出制限を撤廃するよう中国に呼び掛けた。一方で中国は、WTOの判断を不服とし、レアアースの輸出制限について「WTOが掲げる持続可能な発展という目標に沿ったもの。(輸出規制により)資源産業が健全な発展に向かおうとしている」と説明した。(c)AFP