【7月4日 AFP】3日に投開票が行われたタイ下院選挙(定数500)は、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派のタイ貢献党(Puea Thai)が圧勝した。これにより、タクシン氏の末妹で同党党首のインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)氏(44)が、タイ初の女性首相に就任することが確実となった。

 選挙管理委員会の発表によると、ほぼすべての票が開票された時点で、タイ貢献党の獲得議席数は過半数を超える263議席で、アピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)首相が率いる民主党の161議席を大きく上回った。推定投票率は74%だった。

 開票結果をうけ、アピシット首相は首都バンコク(Bangkok)の党本部で「結果は明らかだ。貢献党が勝ち、民主党が負けた」と支持者らを前に敗北宣言を行った。
 
 今回の下院選によって、前年にバンコクの首都機能をまひさせ、過去数十年で最悪となった政治的暴動をもたらしたタクシン派の「赤シャツ隊」による大規模なデモ以降、与党連立政権に初めて選挙による審判が下された形となった。

 タクシン氏が自らの「クローン」と評するインラック・シナワット氏(44)は、タクシン元首相から祝福の電話があり、この先には困難な仕事が待ち受けていると激励されたことを明らかにし、「人びとが私にチャンスをくれた。全力を尽くして臨む」と意気込みを語った。今後はタイ国民発展党(Chart Thai Pattana)などの小規模政党と連立を模索する考えだという。(c)AFP/Daniel Rook

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