【6月30日 AFP】ギリシャ議会は29日、新たな緊縮策を155対138の僅差で可決した。緊縮策は、デフォルト(債務不履行)回避のため7月中旬までに欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から緊急支援を受ける上で、前提条件となっていた。

 緊縮策では、2015年までに歳出を284億ユーロ(約3兆3000億円)削減し、国営企業の民営化や国有資産の払い下げも進める。

 ヨルギオス・パパンドレウ(George Papandreou)首相は「(緊縮策への)賛成票は、時間稼ぎをしてわが国が必要とする大幅な変更に着手するための唯一の手段。わたしは国の崩壊を防ぐためなら何でもやる」と演説した。

 緊縮策の可決を受け、ユーロは安定し、ギリシャ株も再び上昇した。ヘルマン・ファンロンパウ(Herman Van Rompuy)欧州理事会常任議長(EU大統領)は「国としての責任を果たした」とギリシャを称賛。早ければ来月3日のEU財務相会合でギリシャへの120億ユーロ(約1兆4000億円)の緊急支援が決定される。

■デモ隊と警官隊が衝突

 一方で、議会前のシンタグマ広場(Syntagma Square)には緊縮策に反対する市民が集まり、警官隊と衝突した。警察によると、500人から600人の若者たちが警官隊に投石などを行ったため、催涙ガスで応酬した。

 保健省によると、デモ参加者約100人と警官31人が呼吸困難やけがで病院に搬送されたが、重傷者はいないという。なお、警察は11人を逮捕したと発表した。(c)AFP/Roddy Thomson