【6月27日 AFP】豪政府は26日、金属価格の上昇により、オーストラリアの5セント硬貨の製造に5セント以上の費用がかかるようになっていることを認めた。

 首都キャンベラ(Canberra)にある王立オーストラリア造幣局(Royal Australian Mint)が、絵柄に地元のハリモグラが使われている5セント硬貨を製造している。しかし、製造費用がかかりすぎるとして5セント硬貨は廃止すべきとの姿勢を同造幣局が示したと報じられている。

 ビル・ショーテン(Bill Shorten)財務副大臣は「金属や5セント硬貨に使われる材料の価格の上昇により、実際、5セント硬貨を作るのに5セント以上の費用がかかっている」と述べた。

 5セント硬貨は銅75%、ニッケル25%で作られ、重量は1枚あたり2.83グラム。直径は19.41ミリだ。現在の為替だと約4円に相当する。

 1990年代前半のインフレで使い道が減った1セントと2セントの硬貨は廃止された。しかしショーテン氏は、5セント硬貨が廃止されると小売店が商品価格の端数を切り上げたり、小銭で行われることが多い各種の募金が減ったりする恐れもあると述べ、5セント硬貨の廃止を検討するには時期尚早だと語った。(c)AFP