【6月16日 AFP】中国で、市民が自らの贈賄体験談を告白するサイトが、この1週間で相次いで登場している。インドの汚職反対サイト「私は賄賂(わいろ)を払った(I Paid A Bribe、ipaidabribe.com)」に触発された動きだという。国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が14日、伝えた。

 これらの「贈賄告白サイト」には、賄賂をした市民らによりその状況や金額が詳しく報告され、その日1日に報告された賄賂の総額が掲載されている。チャイナ・デーリーによると、10日以降で、すでに8つの類似サイトが登場した。

 一方、これらのサイトでは、収賄した当局者を特定できるような情報は掲載しないように呼びかけているという。

 北京(Beijing)のインターネット関連会社で働くZhang Zhongguoさんは、チャイナ・デーリーの取材に「われわれは賄賂を明らかにする。だがプライバシー侵害には反対だ」と説明した。Zhongguoさんの立ち上げたサイト「I made a bribe」は、開設から3日間で6万人の訪問があった。

 ある投稿では、裁判で有利な判決を得るために判事に商品券を贈った体験談が述べられていた。また別の投稿では、車の積載量オーバーの罰金を軽減してもらうために、交通警察官にタバコを1カートンあげたという告白があった。

 サイト運営者たちは、投稿内容がすべて真実かどうかは、わからないと語る。また、特定の個人を中傷する危険性のある内容については慎重に削除しているという。

 中国の監視当局は、チャイナ・デーリーに対し、これらのウェブサイトの存在は知っていると述べたが、詳細なコメントは拒否した。(c)AFP