【6月21日 AFP】ファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier、59)のキャリア35周年を記念した展覧会が、カナダ・モントリオール美術館(The Montreal Museum of Fine Arts) で6月17日から10月2日まで開催されている。

■ストリートからランウェイまで

 展覧会のタイトルは『The Fashion World of Jean Paul Gaultier: From the Sidewalk to the Catwalk(ジャンポール・ゴルチエのファッション・ワールド:ストリートからランウェイまで)』。会場には約130点あまりの貴重な作品が展示され る。

 会場では、「The Odyssey of Jean Paul Gaultier(ゴルチエの旅)」「The boudoir(淑女の私室)」「Skin Deep(スキン・ディープ)」「Punk Cancan(パンク・カンカン)」「Urban Jungle(都会のジャングル)」「Metropolis(メトロポリス)」の6つのテーマにそって作品を展示している。歌手のマドンナ (Madonna)やカイリー・ミノーグ(Kylie Minogue)、ミレーヌ・ファルメール(Mylene Farmer)が着用した衣装もある。

 訪れた人々を出迎えるのは、ゴルチエと華やかに着飾ったモデルたちのマネキンだ。マネキンの上に実際の顔の映像と音声を投影しているの で、まるでそこにゴルチエ本人が立ってこちらに話しかけてきているかのような錯覚を抱く。このユニークな演出を考えたのは、ケベックの舞台監 督デニス・マーロウ(Denis Marleau)だ。

■美の基準はひとつでない

 美術館のナタリー・ボンディール(Nathalie Bondil)ディレクターは「これは回顧展ではありません。新たなクリエーションを展示する場なのです」と語る。「ゴルチエは、これまでごく一部の人し か目にする機会に恵まれなかった、極めて品質の高い素晴らしいハイファッションを人々に見せようとしているのです」

「ゴルチエの作品はファッションという領域を越え、全てのマイノリティーに対する尊重や寛容性といった、ヒューマニストとしてのメッセージを発信 しているのです」とディレクターは説明する。ゴルチエ本人も「私は常に美の基準はひとつでないことを見せようと試みてきました」と加える。

 コルセットや鳥かごのドレスが本当に“女性の自由”を象徴するのか、という問いに対して、ディレクターは「もちろん」と即答。女性らしさを 見せ付けることで「女性が持つパワーを支持している」と説明する。今回の展覧会に胸先が尖った“コーンブラ”のドレスを提供した歌手のマドン ナも、その意見に同意。「これまでの概念とは逆に、コルセットは女性のパワーと性の自由のシンボルになりました」とメッセージを寄せた。

■フランス・ファッションの王?

 フランスを代表するデザイナーであるゴルチエに対し、自分のことを「フランス・ファッションの王」だと思うか?という質問したところ「と んでもないよ!」と否定。「フランスの王がどういう目に会うかご存じでしょう?首を切られてしまうんですよ!」とユーモアたっぷりに答えた。

 展覧会は今後、米ダラス(Dallas)やサンフランシスコ(San Francisco)、スペイン・マドリード(Madrid)、オランダ・ロッテルダム(Rotterdam)を巡回する予定だ。 (c)AFP/Michel Viatteau

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