【6月14日 AFP】元プロボクサーのマイク・タイソン(Mike Tyson、米国)氏が12日、2011年の国際ボクシング殿堂(International Boxing Hall of FameIBHOF)への殿堂入りを果たした。

 かつて、自らを「この惑星で最悪の男」と称したタイソン氏は、栄光も悪評もほしいままにしたリング上のキャリアを殿堂入りで締めくくった。

 映画「ロッキー(Rocky)」シリーズに主演した俳優のシルヴェスター・スタローン(Silvester Stallone)や、メキシコの伝説のボクサー、フリオ・セサール・チャベス(Julio Cesar Chavez)氏、ロシア生まれのオーストラリア人の元ボクサー、コンスタンチン・チュー(Konstantin Tszyu)氏も同じく殿堂に名を連ねた。

 タイソン氏は、ボクシング人生の初期に師事した故カス・ダマト(Cus D'Amato)氏へ賛辞を贈った。ダマト氏は、タイソン氏の母親の死去後はタイソン氏の法的な保護者も務めた。

「こうゆう事じゃ、おどけなきゃならないんだ。そうでもしなきゃ感傷的になってしまう。全てはカスと、ボビー・スチュアート(Bobby Stewart、ボクシングファンのソーシャルワーカーで、ダマト氏とタイソン氏を引き合わせた人物)との出会いから始まった。盗みをしょっちゅう繰り返したからな、少年院にいたんだ」

 タイソン氏が言葉に詰まると、観衆からは温かい声援が飛んだ。スピーチを続けたタイソン氏だったが、ついには感情を抑えきれない様子で、「なぁみんな、このスピーチでさえ終わらせられないんだ。ありがとう、ありがとう」と締めくくり、着席した。

 ボクシングの頂点と底辺を味わったタイソン氏は、生涯戦績50勝6敗、44度のKO勝ちを収めている。(c)AFP