【6月13日 AFP】スペインの失業率の高さと経済危機に抗議し、首都マドリード(Madrid)のプエルタ・デル・ソル(Puerta del Sol)広場で5月15日から約1か月にわたって座り込みを続けていた若者らを中心とするデモ隊が12日、撤収を開始した。

 自らを「怒れる者たち」と称するデモ参加者たちは次々と、ビニールシートのテントをたたみ、木製の腰掛けを解体した。地下鉄駅に通じる道路脇にはられた、ステッカーやポスターも剥がされた。デモに使用した資材は、できるだけ再利用するという。

 座り込みの間、食事の提供を買って出ていた失業中の元レストラン経営者、ラファエルさん(56)は、使っていた折りたたみ式テーブルの1つを記念に持ち帰ると語った。「若者たちはとても親切で、とても感動したよ」

 デモ開始日にちなんで「M-15」の名称で知られる座り込みデモは、5月22日の地方選挙を前に、福祉予算の削減や政治汚職、先進国最大の21.29%の高失業率に抗議するため始まり、マイクロブログのツイッター(Twitter)や米SNSフェイスブック(Facebook)を通じてスペイン全土に拡大した。

「M-15運動」を主催する若者らは、座り込みは中止するが抗議行動は続けると強調している。19日に抗議集会を予定しているほか、今後もプエルタ・デル・ソル広場を集合場所として抗議集会を行い、インターネットでも呼びかけていくという。

 広場の中央では、アーチ型の構造物が完成間近だ。今後、同広場のデモ情報センターとして使用するのだという。(c)AFP/Sylvie Groult

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