【6月9日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)の赤の広場(Red Square)で、帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世(Nicholas II)と一緒に商売をしていたロシアの革命家ウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)が、暴言を吐いたとして警察に拘束された――。ロシアのウェブサイト「LIFENEWS」などが8日報じた。

 セルゲイ・ソロフィエフ(Sergei Solovyev)さん(53)は、この9年間、レーニン廟の近くで、黒いスーツに赤いネクタイというシンプルないでたちでレーニンになりきってお金を稼いできた。観光客と一緒に写真に写って、1枚あたり100ルーブル(約290円)の料金を手にしてきたのだ。

 彼のビジネスパートナーは、1918年にレーニンにより処刑されたニコライ2世。扮(ふん)するのはビクトル・チェルカソフ(Viktor Cherkasov)さん(55)だ。

 チェルカソフさんによると、商売中の2人がレーニン廟のそばで普通に会話をしていた際、突然、「レーニン」が警察に連行されたという。そばでお香を売っていた男性がののしり合っていると勘違いして、警察に通報したのだという。

 ただし、2人とも、拘束は警察の嫌がらせだと主張している。「この9年間、警察は賄賂を支払うようわれわれに圧力をかけてきた。われわれは従わなかった。その代わり内務省の慈善基金に寄付してやったさ。するとやつらは、金を直接よこせと言いやがった」と「ニコライ2世」は話した。

 「レーニン」は裁判所に出廷しなければならないが、事件のあと高血圧のため入院しているという。(c)AFP