【6月8日 AFP】2010年1月に起きた大地震からの復興が進んでいないハイチで7日、豪雨による洪水がスラム地域や被災者が暮らすテント村などを襲い、少なくとも23人が死亡した。

 ハリケーンシーズンを迎えたハイチで今年に入ってから最悪の豪雨被害となった。犠牲者のほとんどは首都ポルトープランス(Port-au-Prince)での死者だという。

 2010年1月に起きたマグニチュード(M)7.0の大地震でインフラが崩壊し、依然として数万人が粗末な仮設テント暮らしを強いられている極貧国のハイチにとって、豪雨は大きな被害をもたらす恐れがある。

 保健当局は、人びとが密集して汚染された水に頼って生活する地域で前年に起きたコレラ大流行の再燃を懸念している。

 公式統計によると、2010年のハイチ大地震では22万人以上が犠牲となり、被災者は120万人に上った。だが、米国際開発局(US Agency for International DevelopmentUSAID)がこのほどまとめた未発表の報告書では、地震の死者は4万6000人から8万5000人の間となっている。
 
 ハイチ大地震では、海外から数10億ドル規模の援助が表明されたが復興は進んでいない。5月にミシェル・マーテリー(Michel Martelly)新大統領が就任したことを受け、外国の復興支援強化が期待されている。(c)AFP/Clarens Renois