【6月7日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)軍による空爆で民間人に被害が出ていると主張しているリビア当局は5日、空爆で負傷した乳児を取材させるとして外国記者団を首都トリポリ(Tripoli)の病院に案内した。しかし、この乳児が本当に空爆で負傷したのか疑わせる出来事があり、リビアの外務次官も6日、この件に政府は関与していないとの見解を示した。

 病院に案内された外国の記者団は、空爆で意識不明となったとされる入院中の女の乳児を見せられた。だが病院のスタッフがある記者のポケットに英語で「これは交通事故の負傷者です。これが真実です」と書かれた紙片をすべりこませたという。

 リビアのハレド・カイム(Khaled Kaim)外務次官は6日、この出来事を知らないと述べ、記者団は医師に直接話を聞けばよいと語った。カイム次官はリビア政府が発表する情報は信用できると主張し、この出来事について「民間人への空爆の影響を記者団に見せたいと思う、孤立した人びとによる行動や発言」に「政府は責任を負わない」と述べた。(c)AFP