【6月5日 AFP】反体制勢力による3日の砲撃で負傷したイエメンのアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領が4日深夜、イエメンの首都サヌア(Sanaa)からサウジアラビアのリヤド(Riyadh)に到着した。サウジアラビア当局者によると、大統領に辞任の意志はないという。

 サウジアラビア当局者は匿名を条件に、「サレハ大統領はけがの治療のために訪問しているが、治療後はイエメンに戻る」と語った。イエメンでは、33年もの間政権を握るサレハ大統領の退陣を求め、4か月に及ぶ反体制勢力の抗議デモが続いている。

 サウジ政府関係者によると、サレハ大統領はサウジアラビアの医療用航空機でリヤドに到着し、すぐに軍の病院に搬送された。2機目の航空機には、大統領の家族らが搭乗していたという。イエメンの精鋭部隊である共和国防衛隊の司令官を務めているサレハ大統領の長男アハマド(Ahmad)氏はイエメンに残った。

 イエメン国営サバ(Saba)通信によると、同じ砲撃で負傷したアリ・ムハンマド・ムジャワル(Ali Mohammed Mujawar)首相も、負傷したほかの政府高官や議会指導者らととともにサウジアラビアに到着したという。

 サレハ大統領不在の間は、イエメンの憲法に従ってアブドラボ・マンスール・ハディ(Abdel Rabbo Mansur Hadi)副大統領が代理を務める。(c)AFP

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