【5月31日 AFP】南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領は30日、反体制派と政権側が内戦状態に陥っているリビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐とリビアの首都トリポリ(Tripoli)で会談した。会談後ズマ大統領は両国のテレビに対し、カダフィ大佐はアフリカ連合(AU)の停戦案を受け入れる準備ができていると述べた。

 ズマ大統領によると、AUが提案している全勢力の一斉停戦を出発点とし、北大西洋条約機構(NATO)の空爆停止を含むロードマップを、カダフィ大佐は受け入れる構えだという。 

 AUはリビアの停戦を仲介しようと試みているが、カダフィ大佐の退陣を要求しているリビアの反体制勢力およびそれを支持するNATOは、これが含まれていないとしてAU停戦案をすでに拒絶している。

 ズマ大統領は、カダフィ大佐と細部に及んだ話をしたと述べた。カダフィ大佐はこれに先立ち、リビア国民は「自分たちで話し合う機会」を持つべきだと語っていた。

 これより前の南アフリカのテレビ番組でズマ大統領は、NATOによる空爆は、リビアの危機を終結させようというアフリカ連合の努力を台無しにしていると述べていた。この日、ズマ大統領がトリポリに到着する直前にも、反体制派が拠点としている西部の都市ミスラタ(Misrata)に近い町ズリテン(Zliten)をNATO軍が空爆し、11人が死亡したとリビア国営放送が報じた。(c)AFP