【5月25日 AFP】経営再建中の米自動車大手クライスラー(Chrysler)は24日、2009年の経営破綻に伴って米政府とカナダ政府から受けた融資分の合わせて約76億ドル(約6200億円)を、予定よりも6年前倒しで全額返済したと発表した。

 内訳は米政府から受けた融資51億ドル(約4200億円)やカナダ輸出金融公社(EDC)から受けた融資17億ドル(約1400億円)とその利息など。

 公的資金注入を受けて経営再建に取り組んできたクライスラーは、「世界の自動車業界で競争力のある企業として復活しつつある」との声明を発表した。

 政治生命をかけてクライスラーやゼネラル・モーターズ(General Motors)の救済に公的資金の投入を決定したバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、クライスラーの全額返済の発表を受け、「クライスラーと、自動車業界で働いている米国民にとって大きな節目だ」と語った。

 国内3か所のクライスラー工場で8000人が働いているカナダの政府も同様に全額返済の発表を歓迎した。(c)AFP