【5月18日 AFP】1994年に起きたルワンダ大虐殺を受けて国連が設置したルワンダ国際犯罪法廷(International Criminal Court for RwandaICTR)は17日、元ルワンダ軍大将、アウグスティン・ビジムング(Augustin Bizimungu)被告に、禁錮30年の実刑判決を言い渡した。大虐殺では3か月余りで80万人が死亡したとされる。

 当時の民兵組織の幹部、アウグスティン・ンディンディリイマナ(Augustin Ndindiliyimana)被告についても、虐殺に関与した罪で有罪が宣告された。ただ国際犯罪法廷は、同被告が逮捕後、既に11年服役したことを理由に釈放を認めた。
 
 今回の判決は、ビジムング被告が虐殺において軍を完全に掌握していた一方で、ンディンディリイマナ被告の統率力は限定的なものであり、虐殺に反対していたとの判断に基づいている。

 同じく、裁判にかけられていた偵察大隊の元司令官とその部下は、それぞれ禁錮20年の刑が言い渡された。

 ルワンダ国際犯罪法廷は、大虐殺において重大な責任を有する者を訴追するため、国連が1994年に設置。タンザニア・アルーシャ(Arusha)に置かれている。

 虐殺に関与したとされる政府の上層部以外や一般市民は、ルワンダにおいて、通常の裁判制度やガチャチャと呼ばれる草の根レベルの裁判制度で裁かれている。

 ガチャチャ裁判は、村のもめ事を解決するための村人たちの集会が発展したもの。被告に弁護士がつかないことなどから人権団体から批判を浴びているが、ルワンダ政府当局によると、虐殺への関与の罪で100万人を超える被告人の裁判を行えるようになった。(c)AFP