【5月16日 AFP】女性の自動車運転が禁じられているサウジアラビアでこのほど、30代の主婦が4日間ノンストップで車を運転し続けるという離れ業で、超保守的な法律に反抗の意志を示した。

■「王妃の待遇」に反抗

 AFPの取材に15日応じたナジラ・ハリリ(Najla al-Hariri)さんは、「サウジ女性にも運転する権利が認められるべきだとの信念を貫くため」、紅海沿岸のジッダ(Jeddah)の道路を4日間、一度も止まることなく車で走り続けたという。

「逮捕されることなど怖くありません。娘やその友人たちが誇れるお手本になろうとしているのですから」とハリリさんは語った。エジプトとレバノンでそれぞれ5年間の運転経験があり、サウジアラビアでも女性たちに運転を教えていたという。

 運転が禁止されているだけではない。サウジ女性たちは、男性の保護者の許可なく旅行することが許されないほか、絶対君主制を敷く同国で唯一の選挙である地方選挙の投票権も認められていない。外出の際には全身を覆わなければならない。

 出かける際は必ず男性の親類や運転手に「乗せていってもらう」サウジ女性の現状を、「王妃級の待遇」を受けていると見なす社会通念について、ハリリさんは「大きなうそ」と一笑に付した。「わたしたちは常に、乗せてくれる男性の慈悲にすがっている状態なんです」

■6月17日に「抗議ドライブ」計画の女性らも

 一方、インターネット上では、女性の運転禁止令の撤廃を求める全国的な抗議行動を6月17日に行おうと呼びかける運動「Women2Drive」を立ち上げたサウジ女性グループもある。

 抗議の方法は「車の運転」。ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)で「6月17日の金曜日から、わたしたちサウジ女性は自分で車を運転し始めます」と宣言している。フェイスブックのページでは、すでに1998人が支持を表明している。(c)AFP

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