【5月16日 AFP】米中南部を流れるミシシッピ川(Mississippi River)の増水が続く中、当局はニューオーリンズ(New Orleans)など下流の大都市への洪水被害を防ぐため、15日までに主要放水路の4か所の水門を解放、ルイジアナ(Louisiana)州の広域で町や農地に大量の水が流れ込んだ。

 米陸軍工兵隊(US Army Corps of Engineers)は15日、主要放水路であるモーガンザ放水路(Morganza Spillway)の2か所の水門を解放。これにより、開かれた水門の数は4つとなった。流域の小さな町や村、農地を犠牲にして下流の流量を減らし、ニューオーリンズ(New Orleans)やバトンルージュ(Baton Rouge)などの大都市への被害拡大を食い止める措置という。

 同放水路は約60年の歴史を持つが、洪水で水門が開かれるのは1973年以来2回目。

 ミシシッピ川は北米で3番目に長い川で、流域面積は世界4位。過去70年で最悪の規模となっている今回の洪水では、すでにイリノイ(Illinois)、ミズーリ(Missouri)、ケンタッキー(Kentucky)、テネシー(Tennessee)、アーカンソー(Arkansas)、ミシシッピ(Mississippi)の各州で住宅数千棟が浸水したほか、農地や道路が冠水している。

 ミシシッピ川の水位の上昇は今後しばらく続くとみられている。(c)AFP

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