【5月11日 AFP】2008年2月に海上自衛隊のイージス艦「あたご(Atago)」と漁船が衝突した事故の裁判で、横浜地方裁判所は11日、被告の自衛官2人に無罪の判決を言い渡した。

 この事故は、千葉県沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」が衝突して「清徳丸」の船体が裂け、乗っていた58歳と23歳(年齢はいずれも当時)の親子が行方不明となったもの。2人は、後に死亡と認定された。

 この事故で、当時、当直責任者だった長岩友久(Tomohisa Nagaiwa)3等海佐(37)と後瀉桂太郎(Keitaro Ushirogata)3等海佐(38)の2人が業務上過失致死などの罪に問われていたが、横浜地裁は「あたごに衝突を回避する義務があったとは言えない」と判断した。

 横浜地方海難審判所が2009年に下した、あたごに回避義務があったとする判断とは食い違う判決となった。海難審判所は、漁船側にも危険信号を発しなかったなどの落ち度はあるが、主因はあたご側にあると結論付けていた。(c)AFP