【5月11日 AFP】ローマ(Rome)を11日に壊滅的な地震が襲うとイタリアの地震学者が予言していた、とのうわさが広まり、ローマでは数千人が市外へ脱出する騒ぎとなっている。

 1979年に死去した地震学者ラファエレ・ベンダンディ(Raffaele Bendandi)氏の著作などを研究した学者らが、その計算を基に、ベンダンディ氏が2011年5月11日にローマで巨大地震が起きると予測していたと推論したことが発端だ。 

 ベンダンディ協会(Bendandi Foundation)の会長は、「ベンダンディの著作には、そのような予言をした個所はない」と述べ、うわさの火消しに躍起になっている。

 だが、ベンダンディ氏が生前、惑星の配列を基にいくつかの地震を正確に予言したとされることもあり、イタリア人たちのパニックは治まらない。警察では不安がる市民からの電話がなり止まず、市当局は市民を安心させるためのフリーダイヤルを開設した。

 ローマ郊外へ避難する人々の列も途切れることがない。ANSA通信によると、市内各地で休暇や病気のため臨時休業するとの張り紙をしてシャッターを下ろした店が目立つという。
 
 同国では2009年4月6日に、ローマから約100キロ離れた古都ラクイラ(L'Aquila)で大地震が発生し、308人が犠牲になった。

 ローマのラ・サピエンツァ大(Sapienza University)は、市民の不安を和らげる目的で、当日に地震予知に関する会議を開く予定だ。(c)AFP

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