【5月10日 AFP】東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故で立ち入りが禁止されている、同原発から半径20キロ圏内の警戒区域の一時帰宅が10日、福島県川内村で実施された。100人近くの住民が防護服にマスク姿で貴重品などを取りに帰宅した。

 政府による一時帰宅の実施は、警戒区域が指定されてから初めて。涙をこぼす住民や、放射能汚染を懸念する住民の姿が見られた。

 一時帰宅はおよそ2時間。住民は、家族の写真や現金、預金通帳、ノートPCなどを70センチ四方のプラスチック製の袋に入れられる分だけ持ち帰ることができる。滞在中は防護服の隙間から被ばくする恐れのある行為が禁止されており、トイレに行くことも許されない。

 帰宅を終えた住民は健康診断を受け、持ち帰った荷物も含めて放射線検査を受けた。同様の一時帰宅は、他の自治体でも行われる。(c)AFP/Hiroshi Hiyama