【5月8日 AFP】米国防総省は7日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を前週、パキスタンの潜伏先で急襲し殺害した際に押収したビデオ映像を公開した。

 公開された映像5本のうちのひとつには、ビンラディン容疑者が質素な部屋で茶色のブランケットにくるまりながら、自分について報じるテレビニュースを見る様子が映っている。テレビのリモコンを持ったビンラディン容疑者は、白くなったあごひげをなでながら体を前後に揺らしつつ、画面を見つめているが、実際の年齢よりも老けて見える。

 ビンラディン容疑者は大胆不敵で強力な聖戦の指導者だというイメージを、これまでアルカイダは広めてきたが、この「ホームビデオ」に映っている姿は、自分が映ったニュースを見ているただの孤独な老人といった風情だ。

 イラク戦争当時、連合軍副指揮官を務め、現在は退役しているマーク・キミット(Mark Kimmitt)元准将は米CNNテレビで「(国防総省がビデオを公開した)目的は極めて分かりやすい。過去10年間にわたって世界を震撼させてきた偶像の神秘性を取り払い、彼は神格的存在ではなかったということを示すことだ」と説明し、このビデオでビンラディン容疑者は「くたびれた老人に見える」と語った。

 また他のビデオのうち3本には、スピーチのリハーサルをするビンラディン容疑者が映っており、そのうちの1本はしわになったブルーシートの前で撮影されていた。(c)AFP/Dan De Luce

【動画】テレビニュースを見るビンラディン容疑者(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)
【動画】声明を読み上げるビンラディン容疑者(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)