【5月7日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)が、米軍に殺害された同組織最高指導者のウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を「殉教者」と呼び、米国への報復を宣言した。同組織は、イスラム教徒たちに米国との戦いに立ち上がるよう呼びかけている。

 このアルカイダの動きに対し、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、ビンラディン容疑者を殺害した米軍部隊兵士らを称え、アルカイダの壊滅を約束した。

 オバマ大統領は6日、ビンラディン容疑者を殺害した米軍部隊の兵士たちと面会。会見で「われわれは(アルカイダの)頭を切り落とした。最終的には打ち負かす」と宣言した。

■アルカイダ呼びかけにタリバンも呼応

 アルカイダは声明で、ビンラディン容疑者の死を初めて公に認め、パキスタンのイスラム教徒に対し「国を腐敗させる米国のけがれを浄化せよ」と呼びかけた。「われわれはパキスタンのイスラム教徒に呼びかける。シャイフ(導師)・ウサマが殺されたその土地で、恥辱をそぐために立ち上がり、蜂起せよ」

 この呼びかけには、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)も呼応。6日にイスラム圏各国で小規模なデモが相次ぐなか、ビンラディン容疑者の死は「外国の侵略者たち」との戦いを強化する結果に終わるだろうと、米国を非難した。

 一方でアルカイダは、ビンラディン容疑者に代わる新たな最高指導者の指名は行わなかった。

 アルカイダの声明は、米民間情報機関サイト・インテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)が公表した。(c)AFP/Jo Biddle